人工知能(AI)が企業の競争優位性をどのように再構築するのかという議論は、株式市場における大きなテーマとなっています。ここ数ヶ月間、私たちはこの問題を、金融情報サービス及び資本財・サービス・セクターの専門サービス企業という観点から考察してきました。今回は、分野は異なるものの、同様に話題となっているビジネス機会と破壊的変化が起きている別の領域、すなわち「AI エージェント型の商取引」に焦点を当てます。
2025年は非常に好調な一年で、MSCIワールド指数は米ドル換算で21%上昇しました。2024年の19%上昇、2023年の24%上昇に続く3年連続の大幅な株価上昇を経て、グローバル株式市場は2026年、重要な転換点を迎えています。2025年末は、AIが近い将来に企業の収益性に目に見える変革をもたらし、その結果として巨額の設備投資は正当化されるという楽観論と、こうした高い期待が近い将来に実現するのか疑問視する声が次第に大きくなっていることとの間で、緊張感が高まっていました。
この数ヶ月間、投資家たちはある疑問に捉われていました:それは、生成AIであれ、エージェント型AIであれ、先進的な人工知能(AI)は、現代社会を支えるデータ集約産業に対して、破壊をもたらすのだろうかという疑問です。ソフトウェア会社からコンサルティング会社、情報サービス会社、信用調査会社、取引所、保険ブローカーに至るまで、株式市場における全面的な売りから免れたデータ集約産業はほとんどありません。
昨今の環境において、地政学的な緊張が世界経済の結束に対する脅威となっている状況では、強靭なサプライチェーンの構築は、企業の経営戦略上、必要不可欠な課題となっています。企業は、変動する需要、政策介入の増加、そして予測不可能な障害が増加している現在の環境を乗り越えて行かなければなりません。しかし多くの製造業者にとって、海外の供給元との関係を完全に断ち切ることは現実的ではありません。グローバル企業にとってレジリエンスとは、単なる緊急事態に対する備えではなく、崩壊しないように バランスを取ることです。
第2四半期(4-6月期)には、4月初旬の「解放の日」における関税政策の発表後、株式市場は底を打って、市場の方向性と主導銘柄が大きく反転しました。第3四半期(7-9月期)においても株式市場の上昇傾向は継続し、世界株式市場は+7%のリターンとなりました(米ドルベース)。結果として、MSCIワールド指数は、政策面や地政学的な面で不確実性が数多く残っているにも関わらず、年初来で+17%という驚異的なパフォーマンスを記録しました。
第2 四半期(4-6 月期)は劇的な展開となりました。4月初旬の「解放の日」に発表された関税を受けて市場は急落して始まりましたが、市場の混乱を受けて政策の見直しが行われたことにより、非常に強力に反発し、株式指数は過去最高値を更新しました。4月8日 時点で3 月末から10%以上下落していたMSCIワールド指数は、第2四半期全体を通して11%の上昇に転じ(米ドルベース)、 2020年 のコロナショックからの回復以来、最も強い四半期となりました。
ファンダメンタルズに基づく株式投資は、不確実性を扱う、言わば芸術のようなものです。私たちのような長期投資家にとっては、投資を検討している企業の利益の推移について、少なくとも今後10年間の見通しを立てる必要があります。
変化する世界秩序に不確実性が高まっている現在、投資家はどこに堅実性を見出すことができるのでしょうか? 私たちは、継続的な 売上と価格決定力を確立している企業は、しばしば強力なイノベーションによって支えられていると考えています。イノベーションの効果は、破壊的または革新的な発明を上回ります。漸進的で段階的なイノベーションこそが、時代に適合し、競争における差別化を牽引し、長期的な成長を可能にするコアな戦略であると私たちは考えています。