サイバー攻撃によって、わずか数週間で1 年分の営業利益を失う可能性があり、サイバーセキュリティは企業の防衛上、必要不可欠なものとなっています。
デジタル・トランスフォーメーションが進み、人工知能(AI)の導入が加速し、地政学的な緊張が続く中、サイバー攻撃の頻度、巧妙さ、金銭的な被害はますます増大しています。従来、リスクが高いと見なされてきた業界だけでなく、今やあらゆるセクターの企業がサイバー攻撃の脅威にさらされています。長期投資家にとって重要な問題は「サイバーリスクが存在するかどうか」ではなく、「サイバーリスクを管理する体制を整備しているかどうか」にあります。
サイバー攻撃によって、わずか数週間で1 年分の営業利益を失う可能性があります。デジタル・トランスフォーメーションが進み、人工知能(AI)の導入が 加速し、地政学的な緊張が続く中、サイバー・レジリエンス(サイバー耐性)は、企業および投資における中核的な 優先課題となりつつあります。
サイバー攻撃によって、わずか数週間で1 年分の営業利益を失う可能性があり、サイバーセキュリティは企業の防衛上、必要不可欠なものとなっています。
デジタル・トランスフォーメーションが進み、人工知能(AI)の導入が加速し、地政学的な緊張が続く中、サイバー攻撃の頻度、巧妙さ、金銭的な被害はますます増大しています。従来、リスクが高いと見なされてきた業界だけでなく、今やあらゆるセクターの企業がサイバー攻撃の脅威にさらされています。長期投資家にとって重要な問題は「サイバーリスクが存在するかどうか」ではなく、「サイバーリスクを管理する体制を整備しているかどうか」にあります。
2025 年に私たちは、比較的サイバーリスクに晒されていると考えられるポートフォリオで保有する企業に対して、独自のサイバーセキュリティの評価フレームワークを適用しました。その目的は、財務的に重大な影響を及ぼし得るサイバーリスクを、個々の企業レベルで評価することにあります。
脅威の概観
2025 年のサイバー犯罪による損失は10.5 兆ドルに達すると予測されており、これはサイバーセキュリティへの投資額の約50 倍に相当します1。信用調査機関のエクイファックス(Equifax)の事例は、サイバー攻撃の増加を如実に物語っています。同社は2024 年に 1,500 万件以上のサイバー攻撃に対応しました。これは1 秒あたり約175 回の攻撃に相当し、対2023 年比で25% の増加です2。注目を集めた事件から、引き続き、潜在的な被害規模の大きさがわかります。英国では、2025 年に発生したランサムウェア攻撃によって主要企業の業務が停止し、数億ドル相当の利益損失と復旧費用の発生を招きました。同時に、多くの経営者たちは、備えが不足した領域が残っていることを認識しています。
CISO(最高情報セキュリティ責任者)3 を対象とした調査によると、回答者の過半数が「今後12ヵ月以内に重大なサイバー攻撃が発生する」と予想しています。一方で、「対応に向けた準備が不十分である」と感じている回答者も、相当数に上っています。
デジタル化の広範な進展により、あらゆる企業が今やデータ企業となっています。その結果、企業の攻撃対象領域(不正利用者がシステムにアクセスし、データを取得する可能性のある地点の総数)は拡大しています。さらに、企業の攻撃対象領域を拡大させる要因としては、以下のようなものも挙げられます。
人為的なミスは、依然としてサイバー攻撃を許す主な原因となっていますが、サプライチェーンの脆弱性も、同様に重大な要因になりつつあります。特に企業買収に積極的な企業においては、サイバーセキュリティのデューデリジェンスの統合が不十分な場合、隠れたリスクを抱える可能性があります。
ゲームチェンジャーになる新技術
AIはサイバーセキュリティのあり方を、根本から変えようとしています。一方で、生成AI(GenAI)の登場によって、攻撃を仕掛ける側は参入し易くなっています。フィッシング攻撃の手口はさらに巧妙になり、脆弱性診断は大規模に自動化され、悪意のあるサイバー攻撃をさらに速く、かつ洗練された形で展開することが可能となっています。その一方で、AI を活用した防衛策は、脅威の検知や対応に要する時間を大幅に短縮することができます。調査結果によれば、サイバーセキュリティ対策にAI を導入している企業は、データ侵害による平均コストが抑制されており、被害を迅速に抑えていることが示されています6。しかし私たちの見解では、企業はAIツールの導入に伴い、セキュリティ要件を追加して検討しなければならないでしょう。ある調査では、AI 関連の脆弱性が、2025 年において、最も急速に高まっているサイバーリスクであると報告されています7。
量子コンピューティングは、実現には時間がかかりますが、潜在的に破壊的な脅威となり得ます。特に懸念されているのが、「今盗んで、後で解読する」と呼ばれる攻撃で、暗号化されたデータをあらかじめ盗んでおき、将来的に量子コンピュータを用いて解読するという手法です。これは、財務記録や知的財産、医療情報といった長期間にわたって秘匿性が必要な機密データに対してリスクとなります。一方で、防衛策の開発も進んでいます。2024 年、米国国立標準技術研究所(NIST)が、世界で初めて「Post-Quantum Cryptography(PQC)標準、または量子耐性暗号の標準規格」を公表しました。米国のサイバーセキュリティ関連機関も、各組織に量子技術への対応準備を早期に開始するよう働きかけています。歴史的に見て、暗号技術の移行には長い年月を要します。そのため、長期保存が必要な機密データを保有する企業にとって、量子耐性暗号への早期の備えは賢明であると考えられます。
独自のサイバーセキュリティに関する評価フレームワーク
サイバーセキュリティを体系的かつ比較可能な形で評価するため、私たちは独自の評価フレームワークを開発しました。この評価フレームワークでは、次の6つの柱に関して、ポジティブとネガティブの指標を評価します。
2025 年、私たちはサイバーセキュリティ・リスクに最も直面していると判断したポートフォリオ企業10 社に対してエンゲージメントを行いました。重大なサイバー攻撃のリスクを完全に排除することは不可能ですが、これらの企業は、概して適切にリスクを管理しているというのが私たちの見解です。以下に、ベストプラクティスの具体例をあげます。
投資への示唆:リスクと収益機会
サイバー攻撃の脅威が加速する環境下で、サイバーセキュリティへの支出は構造的に増加しています。業界の予測によれば、2025 年の世界全体のサイバーセキュリティ支出額は2,000 億ドルを超え、今後も2 桁の成長率で増え続ける見通しです9。企業のCIO(最高情報責任者)を対象とした調査でも、サイバーセキュリティの予算は、ソフトウェア関連の支出全体の伸びを上回るペースで増加していることがわかります10。
このような環境は、リスクと収益機会の両面をもたらすでしょう。リスクの観点からは、サイバーセキュリティ対策への投資が不十分な企業は、財務的に重大な影響を及ぼす攻撃を受けるリスクが高まります。収益機会の観点からは、顧客企業のエコシステムに深く組み込まれた大規模なサイバーセキュリティを提供する企業や、プラットフォーム企業は、持続的な需要の増加から利益を得る可能性があります。
私たちのポートフォリオには、サイバーセキュリティについて極めて重要な関わりを持つ、次のような企業が含まれています。
冷酷な現実
いかなるサイバーセキュリティ・システムであっても、完全な防衛を保証することはできません。しかしながら、私たちの見解では、「備えのある企業」と「そうでない企業」との差は、これまで以上に決定的なものになっています。サイバー・レジリエンスは、企業の防衛上、必要不可欠なものであると同時に、潜在的な競争優位性をもたらす要素でもあります。強力なガバナンスがあり、高度な防衛能力に投資し、技術の変化に先見性をもって適応する企業こそ、事業運営と株主価値を守る上で有利な立場にあると私たちは考えています。
1 出所:JP Morgan Research,「Digital Future Under Threat: AI, Quantum and Geopolitical Cybersecurity Risks」(2025 年11 月)
2 出所:Equifax,「Annual Security Report 2024」
3 出所:Proofpoint,「Voice of the Chief Information Security Officer Survey 2025」
4 Internet of Things (IoT): センサー、処理能力、ソフトウェア、その他の技術が組み込まれた物理的な物体であり、インターネットやその他の通信ネットワークを介して、他のデバイスやシステムと接続しデータを交換するもののこと。
5 企業の合併・買収
6「IBM Cost of a data breach report 2025」、https://www.ibm.com/downloads/documents/us-en/131cf87b20b31c91
7 世界経済フォーラムー 「Global cybersecurity outlook 2026」、https://reports.weforum.org/docs/WEF_Global_Cybersecurity_Outlook_2026.pdf
8 ISO/IEC 27001 は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格
9 出所: https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2025-07-29-gartner-forecasts-worldwide-end-user-spending-on-information-security-to-total-213-billion-us-dollars-in-2025
10 モルガン・スタンレー・リサーチ「Cybersecurity: Forecast as Large Clouds Move In」(2026 年1 月)
11 モルガン・スタンレー・リサーチ「Cybersecurity: Forecast as Large Clouds Move In」(2026 年1 月)
12 Experian 2025 年度年次報告書
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50 億円超100 億円までの部分に対して 0.770%(税抜 0.700%)
100 億円を超える部分に対して 0.715%(税抜 0.650%)
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投資信託にかかる費用
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内、委託者報酬(運用報酬)ありません信託財産留保(相当)額 基準価額に0.20% を乗じた額(解約時)
• 販売手数料はございません
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- 組入有価証券を売買する際に生じる取引費用
- 外貨建資産の保管費用
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- 受託会社の立替えた立替金の利息
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- 法律顧問に対する報酬
- 投資信託約款および受益者に対する報告書の作成、印刷および交付に係る費用
- 公告および投資信託約款の変更および解約に関する書面の作成、印刷および交付に係る費用
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