2026年の経済は「K字型」から「U字型」に変化する可能性
2026年の経済状況や市場パフォーマンスは、「K字型」よりも「U字型」に近くなる可能性がある。数年にわたる景気拡大サイクルの中で勢いは鈍化していたが、2025年にはその鈍化の流れは底をつけたようだ。しかし、ごく一部の銘柄の株価が大幅上昇し、株価指数が好調に推移したため、景気の落ち込みは部分的に覆い隠された。2025年の景気足踏み状態を受けて、世界各国の財政・金融政策は明らかにプロシクリカルなものに変わった。当運用チームでは、市場と経済の両方において、幅広い回復が生じる余地があると考えている。2026年にはアップサイドのサプライズが発生し、「U」の右側のように市場や経済が急回復していく可能性があるだろう。
協調したプロシクリカルな政策が米国株式を下支え
財政政策は大幅に前倒しで実施されてきたが、主な恩恵が具体的に現れるのは2026年や2027年になると見込まれている。それまでの間も、加速償却の活用によって活発な設備投資が継続することが見込まれ、GDP成長を継続的に支えるだろう。同時に、労働市場の軟化に対応するため、金融政策は緩和に向かっている。また、消費者も追加減税策から恩恵を受けられる可能性が高い。近い将来に労働市場が軟調になる兆候もあるが、減税策によって個人消費は底支えされるだろう。
生産性の向上:規制緩和に注目
当運用チームは2024年末に、第二次トランプ政権の政策は3つの要素、つまり関税、財政/税、規制緩和に分けられると述べた。関税と税政策については、大部分が完了した。次の焦点は生産性向上の支援であり、その手段として民間セクター(サプライサイド)が主導する成長に移行し、生産性の低い政府セクター(デマンドサイド)は縮小させていく。このプロセスはすでに始まっており、2026年にも継続するだろう。
インフレと労働市場の安定化
FRBは政策金利の決定においてフィリップス曲線のフレームワークを考慮している。フィリップス曲線は賃金インフレと失業率の関係を説明する理論である。FRBは現在の労働市場について活況ではないと考えているため、失業率が上昇していくリスクの方が高く、インフレに下方圧力がかかる可能性があると見ている。そのため、インフレ率が目標を上回っているにもかかわらず、利下げは正当化される。ただし、このフレームワークが崩壊すれば、FRBは再検討を迫られるだろう。
世界各国で成長重視の政策を実施
米国の関税政策を受けて、欧州では再工業化の取り組みが始まった。特にドイツが積極的で、東西ドイツ統一後の時期に匹敵するような規模(対GDP比)の財政刺激策を実施している。再工業化のペースは遅く、順調に進んでいないように見えるかもしれないが、確かに進行中である。インフラ、防衛、金融の分野が恩恵を受けるだろう。現在はインフレが抑制されているため、ECBは緩和的な政策を続ける可能性が高い。日本では経済成長を重視する首相が誕生した。中国については、米国による関税が安定してきたため、逆風は弱まっている。
主要なアクティブポジション:
注目ポイント:グローバル株式
注目ポイント:グローバル債券
上記は、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントが海外で発行したレポートの一部を邦訳したものです。本書と原文(英語版)の内容に相違がある場合には原文が優先します。
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